世界の片隅で紡ぐ音楽 音楽を買わなくなったのは何時からだろうか

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音楽を買わなくなったのは何時からだろうか

音楽業界が極度の不振にあえぐようになって何年経ちましたかね。

違法ダウンロードへの対応が法制化された後も、音楽業界の売上が大幅に改善した、というニュースは聞かれません。こんな様子だと、違法ダウンロードと音楽の売上低迷には因果関係がない、と断定されても仕方ありません。あたかも喫煙と肺がんの関係のようです。

そもそも、音楽業界が今の状態を自ら「不振」というのは、ややおこがましいとも思います。過去の隆盛は音楽の力だけで成しえたとは到底言えません。テレビ等のメディアによって増幅された結果でもあります。

戦後の音楽業界、興行界の歴史は、テレビとの関係が切っても切れません。

特にアイドルブームやメガヒットが連発した80年~90年代は、テレビでの歌番組、ランキング番組やドラマ主題歌としてのタイアップが全盛を迎えていました。今の30台半ば以降の年代の人たちは、まさにこの辺りをリアルに体験してきた世代と言えます。おそらく店頭でCDを買う、という行為が日常の中にあったのも、この世代が中心だろうと思います。

しかし今はどうでしょう。これまで音楽業界に大きな恩恵をもたらしてきたテレビにかつてのパワーがなくなってきました。一家そろってテレビを見る、という情景が姿を消すとともに、音楽番組も番組表から姿を消していきました。テレビという大きな後ろ盾を失って初めて、音楽業界は自身の価値を問われる状況となっています。

加えて、かつてCDの売上を支えた層は、社会人として一番忙しい時期を迎えているだけでなく、私生活でも結婚、子育てに追われ、テレビを見たり、音楽など聴く暇などありません。車のラジオから聞こえてくるのを流し聴きする程度ではないでしょうか。長年のデフレ経済で所得が伸び悩み、CD1枚買うのだって経済的に厳しい、という人も増えていると思います。

不思議に思うのは、新刊書籍なんかも同じなんですけど、なぜ音楽ソフトって、人気・不人気を問わず同じ値段なんでしょうね。市場の原理から言えば、買い手の多い商品の値段は上がり、買い手の少ない商品の値段は下がるはずです。野菜や果物だと、買って食べてみないと美味しいかそうでないかわからないところがありますが、音楽なんてジャンルやライブでの動員数等で、これほど事前に売上枚数が予測しやすい商品はないんじゃないかと思います。にも関わらず、ポッと出の無名のアーティストでも、Mr.Childrenのようなビッグネームでも、10曲かそこら収録して2,800~3,000円。商品の価値を価格に反映してこなかった業界が、「不況で売れない」とか良く言えるな、と思うわけです。

AKBの商法が興味深いのは、純粋な音楽、楽曲の価値と販売価格の落差を「握手券」などの他の付加価値で埋めようとした点です。プロデューサーの秋元康氏は、作詞家というクリエイターでありながら、音楽そのものの商品価値を極めて冷めた目で見ている人なんだと思います。

私はCDを買うという行為は凄く好きです。家に帰ってビニールの包装を解いてパッケージを開ける。すると新品独特のプラスチックの匂いが漂う。印刷したてのパリッとした歌詞カードをパラパラめくって、紙の匂いと共に歌詞とアートワークを鑑賞する。ディスクをそっとプレイヤーに滑り込ませると、スピーカーから音の粒の立った、クリアな音が流れてくる・・・・・。至高のひと時と言っていい。

最近はオーディオよりもパソコンやスマホで音楽を聴く、という人も増えてるんじゃないかと思います。でもネット上で流通する音楽は、やはりそういう流通に適したフォーマットでしかないわけで、それに耳が慣れてしまうと、しっかりしたオーディオ構成とCDで聴く楽しさ、感動というものに価値を感じなくなってしまう。世の中の流れなので仕方がないのでしょうが、ちょっと残念に思いますね。
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